梨狩り(なし狩り・なし園・もぎとり)旬の味覚を満喫しょう。

2005年コロンブス月刊誌8月号に掲載

首都圏  ぶらり途中下車の味 自家製花粉100%で交配するこだわりの梨園
千葉県松戸市では県内でも有数のなしの産地で、はやくから”もぎとり体験”を始めるなど、
体験農業の先進地。その松戸で、今度は「おいしい梨作り」にチャレンジする農家が現れた。
はたしてその味は、早速訪ねてみた。


千葉県松戸市といえば、その昔(すぐやる課)で一世風靡、そしてあの「マツモトキヨシ」を生んだ都市。
などと字体をリードしてきた先進地、「20世紀梨」の発祥地でもある。
1888年、当時13歳だった松戸覚之助が裏庭のゴミ捨て場に生きていた小さな梨の木を偶然にも発見したのが事の始まりだった。

父の農園で育ててみたところ10年後には結実し、20世紀梨と命名したという。
その歴史を持つ松戸市は今でも梨栽培でも盛んな地域地域だ。


六実も9戸の梨園があり、石井義人さん(44歳)もその1人である。
石井さんが経営する「むつみ石井梨園」は東武野田線六実駅から徒歩7分ほどのところである。

地場産花粉差別化


祖父母の代から梨栽培を続けてきたという石井さんの梨園の規模は、80eで、成木は焼く200本。
収穫は8月から始まるが市場出荷も少なく、もぎとり体験と農園での直売がメイン。

六実での梨狩りの体験は歴史が古く、すでに祖父母の代から、行われてきたという。
(成田山にお参りした帰り道に六実で梨もぎとりを楽しむというのが、当時の定番の観光コースだった)そうだ
そして、スッカリもぎとり体験が定着し、経営が安定した頃に父親から経営を任されました。

それが人生を変えた。

持ち前の研究に火がついた。

早速手をつけたのが、自家製花粉の精製だった。

(幸水)と(豊水)の花からおしべを取り出し、花粉を精製して手作り技で花粉を行っている。
何事も自分らしく、が信条だ。

(開花期に蜜蜂を園内に放して受粉していますが、蜜蜂まかせでは確実に効果は出ない。)
その点、手作業で行えば100発100中です。

以前では中国産の花粉を購入していましたが、発芽率や品質も自家製の方が格段にいい。
そしてなによりも、混じりけのないホンモノの地場産なら(気候・風土)にもなじみ、安心して栽培できます、と。

花粉を取り出す方法を簡単に説明しますと、まず花粉交配期に収穫調整のために摘み取った
花からおしべの先端(葯)を取り出し、開葯器に入れて27.5度で18時間温め、葯から胞子を出させる。

これが花粉だ…更にアセトンという薬品を使って葯についた不純物を取りぬき純度100%の花粉を取り出す。
こうした手間のかかる作業は約2週間にわたって毎日40分間行われ、
次年度用には葯をつけたままで冷凍保存するのがポイント。

その際、発芽するかどうかを顕微鏡でチェックする事が重要だったそうだ。
(つまり花粉が生きているかどうかを顕微鏡で確認するのです。

生きている花粉なら、花粉管が元気に出ているのがわかります。
地元の若手生産者3人と自家製の花粉作りに取り組んでいますが、
検査の時は誰の花粉かが一番元気がいいか、一喜一憂しますねぇwww)


石井さんのこだわりは自家製花粉だけではとどまらない。

園内に牧草を生やす「草生栽培」に取り組み、馬糞や牛糞といった肥料による土つくりにも力を入れています。
(牧草は定期的に刈り取り、刈り取った草はそのまま土にすきこんで堆肥にしています。
馬糞や牛糞も自家製発酵させ、何度も切り返しをします。

有機質の肥料を使うようになってから根のはりが見違えるようになりました。
農薬でできるだけ散布の回数を減らし、低農薬栽培を目指しています)

現在栽培している品種は8種類新しい品種の導入にも意欲的で、今は(かおり)の育成に全力投球中だ。
その名のとおりかおりが豊かな品種で、昨年は2.3`の大玉が実ったという。
(台風にあっても落ちなかった!!!)と、テレビのニュースにもなったというのだから驚きだ。

世代をつなぐ梨栽培

今年ももぎとり体験が始まるのが8月8日頃から、先代からの常連さんもいて、
毎年、石井さんの梨を楽しみにしている。

価格は1`630円。入園料は無料。収穫期は石井家にとってクライマックス、
お客様がやってくるからだ。1年の結果を満喫してもらう。

その成果を見るのが楽しい、嬉しい、元気になると。

今の時期、園内には成木に混じって何本もの若木も植わっていた。
(老木になると実のつきが悪くなるので、三十年の目安に木を更新していく)

この若木は娘の代の蓄えに植えています。
と(20世紀梨)を生んだ松戸のその進取の気風が、果たして次代の梨を産むかww



東方通信社 月刊『コロンブス』編集部

担当 幸島ひとみ様

掲載して頂きましてありがとうござてました。

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